店主の
ひとりごと
音色 |
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「音色」 「天空の風の音と、地下に流れる水の音を表す心で」 「音の向こうに色があり、その色を出せる様になりたいです」 尺八の演奏が終わった後、その余韻の中お聞きした言葉です。 竹が生えていた処の自然を想い、また人生の「趣の深さ」を考える機会となりました。 楽器を単なる物として捉えるだけでなく、その存在を大切に思い、 活かしきるかを探りながら歩む事は厳しくもあり、楽しいことです。 また、特に「音の向こうに色がある」という言の葉に胸が熱くなりました。 歳を重ねる事でわかる言葉ですね。 時分の花と真の花(風姿花伝)が能にはあると書かれていますが、 人の世にも当てはまることだと思います。 厳しい人生を送ることで初めて見える真の花と、 練習を重ねてやっと辿り着ける味わい深い音色は相似形の卵ではないでしょうか? 人は「気付き」の中で成長してゆけると思います。 些細な言葉でも取り方で大きく舵を切ることも可能です。 そのためにも今日一日を丁寧に生きることですね。 来年は午年です。何かが生まれる年です。 皆様にとり、明るく豊かな年であります様、心より念じております。 くれぐれもご自愛下さい。 |
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vol.59 (2013年12月発行)より |
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