店主の
ひとりごと
出汁を引く |
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夏から毎月、男子料理教室に通っています。 「枝豆塩茹で」、「だし巻き玉子」、「うざく」、「白飯」。 この四品が最初のメニューでした。 「ご飯を炊く」、「卵焼きを作る」、「お魚を三枚におろす」。 これらのことがいかに難しく、大切なことかを初めて知りました。 そして日頃は頼るばかりで疎かにしていたことを恥ずかしく思うと同時に、 料理を作っている人々に心より感謝致しました。 また、先生のよく言われる「出汁をひく」という言葉。その意味が分からないので尋ねると、 「日本人は素材の各々の良さを引き出しスープを作ります」 「これは日本独特の文化ですね」 この答えに衝撃を受けました。 「二番出汁」、「三番出汁」とお料理により使い分ける和食。 かつを、こんぶなどの風味をいかに引き出すかと考えてきた日本人の文化に頭が下がります。 食が心を造ります。「食」は国の根幹です。今からでも日本の食を大切に育ててゆく時ですね。 不思議なもので、お料理の本や話に心引かれるようになりました。 また皆様のお話を聞かせて下さい。 それにしても「理を料る」とはとても美しい言葉ですね。 ご機嫌よう |
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vol.63 (2014年12月発行)より |
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