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私の曼荼羅

「曼陀羅図」をご存知のことと思います。多くの場合、壮麗な楼閣などを
背景に、大日如来を中心として多数の菩薩(仏)に囲まれた、仏の世界を
表した仏画の一つです。
 私は子供のころから、いろいろなお寺でこの曼陀羅を目にする機会が
よくあったのですが、ある時からふと、これが自分の人生の図に見え
始めました。誤解なさらないでいただきたいのですが、自分が中尊に
値する立派な人間だということではありません。「周囲にたくさんの
ありがたい仏様を配していただいている私」という構図が見えてきた
ということなのです。
 私の周囲に配されているありがたい仏様、それは言うまでもなく、私の
周りの人たちのことです。父母、兄弟、家族、友人、知人、そしてお客様、
私ひとりのためにどれだけの仏様が与えられ、私を守り、応援してくれて
いることでしょうか。この人たちの庇護や応援がなかったら、いかほどの
ことも自分ひとりではできはしない。曼陀羅に描かれた数え切れない
仏様の姿を見ているうちに、私はそう思うようになったのでした。
「悪縁、良縁あって縁」という言葉があります。これは、「縁とはすべて
根っこでつがなっていて、本来は真っ白なもの。それが自分の身の
持ちようや心の置きようによって、悪縁にも良縁にもある。しかし、その
時々の悪縁(良縁)も、自分しだいでまた変化していくものだ。
だからいつも縁のある人すべてに感謝し、それを良縁にする努力を
しなくてはいけない。反対に良縁に油断していてはいけない」という教え
なのだろうと思います。
 不思議な事に自分の心に正直に感謝すればする程、心の曼陀羅の
絵が鮮明に見えてきます。私の曼陀羅は、いつも感謝で満たして
おきたいと思うこのごろです。

注)曼陀羅…密教と共に空海が唐より持ち帰った絵とされる

vol.21 (2004年6月発行)より
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