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対談この人と
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   京友禅作家
湯本 エリ子さん
 
1951 名古屋市生まれ
1973 京都 山科春宣氏(日本工芸会)に師事
1988 独立
1996 京都・亀岡にアトリエ移転
日本伝統工芸近畿展入選('03 '05 '06)
2007 滋賀県教育委員会教育長受賞
2008 京都新聞社賞受賞
 
  聞き手・蓮井 将宏(や和らぎ たかす 店主)



「私はこの仕事が好きで、この仕事しか見えません。」

京友禅作家・湯本エリ子さんの言葉です。
物を生み出す為に何年も悶々とした時を過ごし、そうした時間を経て図案が出来上がるそうです。
心地良い気持ちで手掛けた着物は必ず自分のもとを離れ、誰かの手に渡るとも…。
この世には人と人とが物を通じて会話する時があります。
創り手にとり一番の幸福は、その作品が仕舞い込まれて忘れ去られるよりも、様々な用途の中で色々な会話をしてもらえる事です。生む苦しみは必ず喜びに通じると感じた取材でした。

2011年5月京亀岡にて



染めとの出会い

蓮井:友禅を始めたきっかけはなにかあったんですか?

湯本:私は出身が名古屋なんですが、父が名古屋では珍しく、友禅の仕事をやってたんです。名古屋で友禅というと悉皆業さんとの関連の中でする場合がほとんどなんですが、うちの父は京都の森口華弘先生にお世話になりながら工芸会に出展していました。子供の頃はなにやってるのかなぁと思って見てるだけだったんですが。でも高校生くらいになると、将来どうしていいかわからないけど、友禅なんてやりたくないと思って(笑)それでいわゆるOLになって…だけど勤まらないんです、私。何か違うと思っていろいろやって…、結局、父が仕事上、京都の先生方とも知り合いですから、彩芸協同組合で当時理事長をされていた河上峰仙先生に、うちの娘どこか世話してくれないかということで、山科春宣先生のところに弟子入りしたんです。21、2の頃でしたね。そこで15、6年やって独立して22、3年。勘定合いますか?(笑)
 
「らしさ」


蓮井:湯本さんの作品の特徴は抽象化された自然が独特のやわらかい、やさしい雰囲気で描かれてあるところだと思うんですが、湯本さんらしさ、って自分ではどんなものだと思いますか?

湯本:なんというか、…自分では言い様がないですけど、自分らしいと後から思うものは、作っていて楽ですね、窮屈じゃないです。

 
蓮井:作品のデザインをするときはどんな風にされるんですか?

湯本:まず、スケッチしますでしょ。私スケッチそのものはそんなに得意ではなくて、根気がない方ですから1時間もやってたらうんざり!するんですけど(笑)、椿なら椿で、1年にわずか10分ずつでも、毎年描くんですよ。で、3年分スケッチが貯まったら、何かになるかな、と思って考える。しつこくスケッチしたものは、形になっていく何かがあります。例え下手な、苦手なスケッチであっても。でも絵をいじってると楽しいんですよ。

蓮井:そういう積み重ねが湯本さんらしさに繋がるんですね。気侭にやってたらできるってわけじゃなく。

湯本:悶々としているほうが多いですね。その中で、あ!これ!っていうものをキャッチできた時は良いものが出来るように思います。

蓮井:その自分らしさっていうのが出るようになるまで何年くらいかかりました?

湯本:結局、師匠のところに入って20年、かかったんだと思います。早い人はもっとね、早いでしょうけど。

 
 

花々のスケッチブック
 
 
色見本~色々な色が調和してゆきます
 

蓮井:やっぱり20年ってなにか大きな区切りの意味があるんですよ。
伊勢の遷宮が20年ですし。

湯本:そうですねぇ、自分では論理的に考えられないので、なんでかなぁと思いながら…。絵の中に空気を描きたい、と思ってやってます。これからの人生も最後までこの仕事を続けたいですね。モノを作るのは難しいですけど、次に次にと、楽しみがあります。

蓮井:そうですね、先日もある人と話したんですが、今、着物を作るのはすごくたいへんな事です。商うのもそれなりにたいへん。でも一番たいへんなのは買う人。その、買ってくれる人の気持ちを慮ってもう一回作り直さないと、って。買ってくれて、それを着てくれるなんてとんでもなく有難い事なんですよ、今の時代。だからこそ、良いものを創らないと…、成就しませんよね。回っていかない。これからも作品を楽しみにしています。




図案と本作品(名古屋帯)




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