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店主の
ひとりごと

イギリス遊学

 今年に入って1ヶ月程、語学学校に入り、ホームステイをしてイギリスの田舎を楽しみました。
その日々を、つれづれなるまま、紀行文に書きます。


「オープンマインド」

 今回の渡英は英語の勉強のためです。英語力を養うにあたり、日常的に英語を使わないといけない
環境に身を置くのが良い、と考えイギリスに向かいました。(元来怠け者の為)
 語学学校があるターキーはイギリス西南部の田舎の街です。周囲は全てイギリス人、日本人は
小生のみという環境で、己に一つ約束事を作りました。毎日の通学の途中、道で出会う人たちに
できるだけ挨拶をする、というものです。
 ステイ先の自宅では、毎日とても気持ち良く朝を迎えることができました。そして道で出会う人に
元気よく挨拶をしながら学校に向かいました。声を掛けた人の中には小生を、東洋人の、不思議な輩だと
思う人もいて、少し悲しい想いをすることもありましたが、そういう相手にも毎日挨拶を続けていると、
安心して笑顔で返してくれるようになりました。自分から常にオープンマインドでいると、いつか相手も
受け入れてくれるようになる事を実感した出来事です。
 日本では、日本人同士でも知り合いの間でしかほとんど挨拶を交わしません。英国での朝に比べると、
この日本の様子はとても悲しい事と思いました。一度、少数派(マイノリティ)になる体験をすると
その立場の人達の心がよくわかります。
今こそ世界に出てゆきその国の人達と日常の話をすることが大切だと想いました。

ターキー(滞在先)はリゾート地としても有名です


「イングリッシュガーデン」

 皆様テレビなどで英国の庭を見る機会も多いかと思いますが、実際イギリスではそれぞれの家庭に
大小さまざまな庭があり、個々に応じて、うまく緑を取り入れ楽しんでいる様に見えました。
中でもホームステイしていた処から車で1時間ほどの処にある14世紀の建物(ダーティントンホール)を
訪れた時の感動は今も忘れません。
そこでは広大な土地に、数十メートルの高さの大木を中心に草木が配置され、とても美しい景色を
作りだしていました。歩いているとかわいいリスも散歩中でした。その杜の中ではまた、野外オペラが
開催できるようになっていました。人の手が十分入っているのにそれを感じさせない自然な庭。
しっかりした計画のもとに造園されたであろう事を思いやると、ほんとうの意味での知性が感じられました。
長い年月、日々愛情を持って手入れしてきた人々の誠実さが滲み、またさりげないオシャレ心も
隅々にあり、こういう公園はなかなか日本にはないだろうと思いました。
 イギリス人は庭造りがとても好きです。「家」と「庭」で「家庭」。本当に大切なものですね。

音楽が自然の中から聞こえてくるようです


「日本と英国」

 月曜から金曜までは授業がありますが、土日は学校が休みなので、気まぐれな旅に費やすことにし、
地図を片手に鉄道に乗り込みました。イギリスは鉄道で全て回れる程、鉄道網が充実しています。
時間は多少ルーズなのですが…。
 そんな中、セント・アイビスという最西端の町にふらっと出掛けてまいりました。
日本でも有名な陶芸家であるバーナード・リーチが作陶をしていた、芸術家の集まる小さな漁業の街です。
辿り着いてみると、街全体を見渡せる丘の上にかわいい石の教会があったので、早速テクテクとその丘に
のぼってみました。そして海と街の眺望に目を奪われながら、しばらくの間、様々な事柄に想いを巡らせました。
 英国と日本はともに島国で、共通点もあり、それぞれに歴史ある国です。
ユーラシア大陸の東と西に位置する我々の小さな島国が、世界の歴史に名を挙げ、大国と対等に
対話できる程の国力を持つという事実に少なからず感動を覚えます。日本の将来を英国の中に
見ることができ、また反対も可能でしょう。いずれにしても他国に行き、深く考えるほどに自国の事が
よく分かります。言葉にしても日本語だけでなく他国語を学ぶことは、真に日本語を学ぶことであり、
それはまた、自分の国を愛することにまで辿り着きます。
 「今」この時期に1ヶ月程外国を旅できることほど幸福な機会はありません。学生時代と違い、文化に対する
想いや国に対する見方を自分に持ちつつ外国の人と交わす会話は、より一層楽しいものとなりました。
 皆様にも年を重ねた体験の上での旅を是非おすすめします。会話に厚みがでてきて、相手の方が
尊敬してくれる様です。自分の言葉でいいのです。ゆっくり確かな言葉で。そうすると、不思議なことに
頭が整理されます。そして、伝えたい事をすこしメモしたくなります。そうなるとシメたものです。
 

セント・アイビス、丘の上の教会


「ラブリーデイ」

 これは、ステイ先のご主人フィリップがよく朝に口にする言葉です。「今日はどう?」と聞くと
「ラブリーデイ!」と返事がきます。それも、60歳の齢の中でやしなった感性が言わせる言葉なのか、
とても自然にチャーミングな口調で奏でられます。それを聞くと、自分は毎日こんな素敵な言葉を
回りに言っているのだろうかと、反省する気持ちになりました。
 言葉で「今日は幸福な日です」といえる大人たちが増えることが、これからの日本の将来に光を
もたらしてくれると、小生は考えます。太陽の光はいつも届いているのに、雨の日になると人はそれを
忘れます。どんなことがあっても「ラブリーデイ」であることを忘れないでいたいものです。


「そして今」
 お店の隣に小さな杜を創りました。(いつでも見てやって下さい。)日々、草木の成長を見ると命が
輝きます。全ての木々はいつも先々の準備を怠らず、日々生きていることを教えてくれます。
まるで経営者の様に、また素晴らしい哲学者でもあり詩人です。
 イギリスの思い出を成熟させ、皆様と共にこの地(さぬき)に光あふれる場を創りたいと切に想います。
vol.29 (2006年6月発行)より
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