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店主の
ひとりごと

私の京都
大吉さんと。
奥にかけてあるのが金子さんの絵です。
「私の京都ベスト5」

 上賀茂神社、蓮花寺、高桐院(大徳寺内)、光明院、大河内山荘。
前回ご紹介した写真の場所で、私の好きな京都ベスト5です。最近は観光の方々も増え、
昼間は人の賑わいがありますが、京都の名所は朝一番か夕方がおすすめです。
季節は晩秋から冬にかけて。そこに京の都の日常の風情を見るような気がします。
京都はいつでも四季の趣がありますね。
 また京の町を守る庶民の方々を忘れてはいけません。時間があれば町をゆっくり歩いてみる、
すると驚く程歴史がある事を知ります。いたる処に碑や祠があり、お花とお水が上げられています。


「大吉」

 一年に一度ぐらい神社でおみくじを引きます。ある時のおみくじに、
『徳をもって人に勝つ者は栄え、力をもって人に勝つ者は亡ぶ』という言葉がありました。
古人のことわざは真理だなあ、と想います。
永い時を経て、風雪に耐えてきた言葉こそ厳しく美しいものです。
 さて、おみくじではなく小生が大好きな古伊万里のお店を紹介します。
このお店の店主<杉本立夫>さんは、最初は小料理屋を開いておられたようです。
その後、今のお店を家族で中京区寺町通りにて営んでおられます。
 小生は京都に参った折、少し時間があれば、ふらふらと大吉さんを訪ねます。そこでお茶を
頂きながら色々なお話に花を咲かせていると、時が経つのを忘れます。話す内容は日常の事やら、
政治、環境問題まで色々です。大吉さんは知る人ぞ知る陶芸家でもありますが、決して自分を
表に出すことなく地味に生きている方です。そんな処に惹かれるのは私だけではありません。
色々な方が大吉さんに会いに来られます。そこで出会う人々とのお話も楽しく、私にとっては
京での一つのサロンです。
 大吉さんが創った器でゆっくりとキャラメルミルクを戴き、奥様の手作りシフォンケーキを
食べながら、私の大好きな絵(金子さん・九州の歯科先生)と対話するのです。人と物と空間が
調和した時、なんとも言えない幸福を感じます。
 先日も大吉さんとのおしゃべりの中でイサム・ノグチさんのお話がでました。
大吉さんが心から尊敬されている書家(久松真一氏、故人)の処にイサムさんが禅の勉強の為
来られた時の事です。イサムさんを評して久松先生が「すばらしい人ですね」と
お話されていたそうです。その理由は、イサムさんが久松先生宅に来られた折、備前焼の陶板を
もって来られたのですが、その板に引かれた線がすばらしく、今まで見たことのない程美しかった
そうなのです。このお話を聞いて、しっかりした哲学がないと何もできないと同時に一つの事に
秀でた方は何をしても美がともなっているものなのだ、と感心しました。こんなお話ができるのも
大吉さんの魅力です。
 余談ですが久松先生の書は生命の輝きがいかに尊いかを教えてくれます。
 大吉さんから色々なことを教わるばかりですが、奥様や息子さんの理さんも、器の話や
お花の話を、深い知識のない私にも分かりやすい言葉で語りかけてくれます。
いつも長居をしてしまう所以です。仕事をするにも大変参考になる事の多いのです。
 常に美しいものを眼にしている人は何か一つの共通点があります。その何かは、今はまだ
わかりませんが。少しヒントがあるとすれば、それは「雅び(遊び心)」という感覚に関係が
あるように想います。「雅び」な心を持っている人は、自然をむやみに壊すのではなく自然を知り、
自然に学び、自然と共に生きる感性を持っている様です。


「明治」

 大吉さんのお話の中で「明治の人はよく働き、品と格がありました」という言葉に出会いました。
明治生まれの方というと、今では九十四歳以上の方々になります。私共の織屋の山口伊太郎氏が
今年の十二月で一○五歳(2007年6月逝去 享年105)ですが、身近なところではなかなか
明治の方とお話しする機会がありません。私の恩師の先生も満百歳になられ、過日も筆にて
お葉書を戴き、大切にしています。
 明治と言う言葉に皆様は何を想いますか?高度成長期に生まれた私は物の豊かさの中で
育ちました。しかし、今はまさに心の貧困の時代と言われています。
この百年の間に何を失ったのかを一度整理してみる時かもしれません。日本人は外国人に比べ、
総括することがうまくない様に思います。あいまいさも時には良いのですが、物事のケジメを
つけないと正しい方向に向かえない時があります。

たかすの玄関風景


「くる年」

 過去を振りかえると、これからへの道しるべが見えてきます。
おみくじは次の御参りの時まで大切に取っておき、最初の言葉を読み返すといいですね。
何かの発見になるものです。ピンチとチャンスは同形です。見方によってどうにでもなります。
心の置き方により…。
 人の世ほど心が大きく支配するものはありません。今こそ、私たち一人一人が世の中の光に
なろうとする意志と行動が求められていると想います。変化が激しい時ほど心の軸が求められますね。
しっかりとした理想をもち、カタツムリの如く歩む心さえあれば、くる年も豊かな時になると信じます。
 皆様にとって、来る年も明るく希望にみちた日々でありますことを心より念じております。
店の玄関に懸けてある笑門の意味を噛み締めながら…。

箱の裏には、「箱を捨ててよくよく働かせてやって下さい」
との加藤先生のメッセージが。


「追伸」

 大吉さんでは年一回、大吉さんと加藤静充先生(小児科先生)の器の会が11月の最後の
日曜に開かれ、毎年全国からファンの方々がお店に並びます。小生も何回か参り、そこで
色々な方々を拝見し、いくつか器を戴きました。けれども加藤先生の作品だけはポスティングをして
購入資格が決まる為、当った事がなく、昨年初めて先生から当選のお電話を頂いた時は本当に
ビックリしました。その時の器は日常お店で使っております。
またお茶を飲みに皆様お越し下さい(笑)


※加藤先生は小児科医をなさりながら余技に焼きもの作りをされている方ですが、
白洲正子さんの著書『風姿抄』にも、「こんなにしっかりした染付の陶器を作る人は、
現代の専門家の中にはいないと思った」と紹介されています。
vol.31 (2006年12月発行)より
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