対談この人と
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たかす文庫 ーギャラリーen 9月の企画展よりー 長谷川 一望斎春洸 さんを訪ねて |
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一、竹次郎さんと |
二、竹次郎さんは 長谷川家は尾張徳川家の御用鍔師をつとめた家柄で、明治より茶道具金工家として家業を継がれ てきました。幼い頃から代々残された金工作品や茶道具に囲まれて育った竹次郎さんには、それら のものは全て身の回りにあったもの、衣食と同じで日常の一角であったそうです。 好きなことは“もの”を観ること。古いもの、特に古代オリエンタルの品に惹かれて、ひとつ、またひとつと集めてきたそうです。工房にはそうして集められたミュージアムピース達が並べられて壮観。ひとつの世界観をつくっていました。でも最近は、日本のもの、例えば志野などが好きになってきたといって、そのお茶碗でお茶を一服点ててくれました。 |
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三、お茶は自分が楽しむもの 長谷川家一望斎という大きな名を背負って茶道具の世界に生きていても、竹次郎さんはいつも融通無碍です。「そういう気負いは 特にない」のだろうです。 そういえば、集めた器で組んだ茶箱を見た作家仲間が、面白いといって一つのプロジェクトになったこともありました。それが『茶の 箱』(赤木明登、安藤雅信、内田鋼一、ヨーガン・レール、そして長谷川竹次郎)という一冊の本になっています。 |
四、温故知新 この耳慣れた言葉を思い浮かべたのは、竹次郎さんとの会話を通して如何にものを観ることが肝要であるか、改めて思い知らされたからです。。古いものを観て、同じように作ってみると、そこから何かを感じ取るのが作り手たる所以です。そして真にものを創る人とは、自分の手でものに生命を与えうる人かと。 「あまり金属を意識していないよ」 竹次郎さんのこの言葉に、軽みと凄みを感じた一日でした。 |
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