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対談この人と
話そう...

2024年12月発行(vol.103)
たかす文庫「この人と話そう…」

L’odeur de Kyoto
辻本 理恵 さん
聞き手 蓮井 将宏


L’odeur de Kyoto (ロデール ドゥ キョウト)

京都の竹とパリなどで厳選したファブリックを融合させた
新感覚のがまぐちバッグをデザイン、製作。
L’odeur de Kyotoで作り出されるバッグは
”京都の技巧とフランスのエスプリの融合、洗練された
大人の女性のためのがまぐちバッグ”というコンセプトのもと、
フランスなどで厳選したファブリックに
口金には京都の竹根をあしらい、
飾りとして用いられるタッセルには
老舗染物屋で染め出した糸を使用して製作。


確かなものの向こう側

ギャラリーenでの初個展から三年、辻本理恵さんは色々なことに対して楽しく挑戦しています。
パリでの個展、語学研修など…。一つ一つ階段を上る様に、明確なものを持って学ぶ事がいかに大切かを
感じた様です。学びは一生の宝ですね。「一寸先は光」と思うと光が訪れます。
今年最後の個展です。皆様に幸福があります様、念じております。「蓮のうてな」の室礼もお楽しみください。
                                            蓮井将宏 拝



パリでの学び 2024の春


蓮井:前回の個展は三年前でしたね。その折にぜひパリでも個展をとお話ししていたのを覚えていますが、実現されましたね。

辻本:実現しましたね、去年。たまたまご縁がつながったんですよね。

蓮井:たまたまってないんですよ、必然です。今年もまたパリに行かれてましたよね?

辻本:はい、フランス語と刺繍の勉強をしに。リュネビル刺繍というオートクチュール刺繍を昔やっていて、それをバッグに取り入れたいと思ってたんですけど、こういう分厚い生地に取り入れるには練習が必要で。

蓮井:どのくらいの期間行ったんですか?

辻本:一ヶ月半です。

蓮井:やっぱりいくつになっても、頭を柔らかくして勉強しないといけないですよね。外国で色んな人と話をする機会があると、学ぶところが多かったのでは?

辻本:行く前は「今更なにしにいくの?」と言われることもあったんですけど、実際パリに着いてみると「フランス語が学びたいから」というシンプルな理由の人達の集まりで、大学の先生とか、心理学やっている人、アメリカで不動産やっている人など少人数8人のクラスだったんですけど、最後にはとても打ち解けることができました。

蓮井:扉が開いた、ということですかね。そういう経験は作品作りにも反映されるでしょうね。

辻本:自分の中でいろんな見方が変わりましたね。やりたいなと思うことがまた増えた気がします。

蓮井:やっぱり出会いですね、縁、人間関係が人生を変えていくということが多いですね。

辻本:自分が思い描いていることがしっかりあると、そういう人と出会っていくなということをこの仕事をしていてすごく感じます。ある程度ヴィジョンを持つ事って大事だな、と。




偶然が繋がって


蓮井:最初にバッグを作ろうと思った時は、どんな出会いがあったんですか?

辻本:単純に、生地との出会いですね。フランスでとても素敵な生地と出会って、それまで日本では目にしたことがなかったので、これを何かにしたい!と思ったことが始まりです。十年前くらいですね。ブランド立ち上げて七年なんですけど、たまたまその時、フランスに行く前に東寺の縁日を見に行ったときに、革でがまぐちを作っている方に出会ったんです。そこで「がまぐちって便利だな」と思ったことをフランスで、その生地を見ながら思い出して。それで生地を買って、ワクワクしながら帰国して、小さいものから始めたんです。そうしたらだんだん、がまぐちというものにハマってきて、そこからです。

蓮井:がまぐちの竹の部分はどういう経緯で?

辻本:単純に京都には竹林がたくさんあるし、当時はがまぐち屋さんもたくさんあったんです。そういう中で、自分が作ったものを差別化していくために竹を使ったら面白いかなと思っていたところ、たまたま、私はお寺に行くのが好きなんですけど、ある日お寺に行く途中にあった竹細工店が気になって。そこの方は休業されていたんですけど、竹に精通しているNPO法人の人を紹介してもらうことができ、こういうのやりたいんですと伝えるとその人がとても乗り気になって「何とかしよう」と言ってくださって、…と、本当に偶然偶然でここまで来てるんです。

蓮井:見えない糸が繋がっていったんですね。その、竹に蒔絵を描くということもされていますよね。

辻本:それもたまたま、当時からとてもお世話になっている方に「色んなものを見て勉強しておいた方が良いよ」と言われてたんです。その方は色んな職人さんをご存じの方で、輪島に行くから一緒にどうかと誘っていただいて、何人か他のもの作りされている方々と同行させてもらったんですよ。そこで蒔絵の職人さん達に出会って、竹にも蒔絵をしてもらえないか聞いたのがきっかけで。竹には油分があって蒔絵とは相性が悪いので、初めは職人さんもあまり乗り気でなかったんですけど何回かやり取りしているうちに若い職人さんがやってくださることになって、それで作ったものが割とすぐに売れて、そこからです。

蓮井:蒔絵は魅力がありますね。マリー・アントワネットも漆をコレクションしていますよね。漆の間がある程です。

辻本:女性は特に光り物が好きな方が多いので、蒔絵自体を宝石のようなイメージで描いてほしいと職人さんに伝えて作ってもらっています。職人さんもそういうのやったことがないから、すごく楽しんでくれているようですよ。







そこに喜びがあること


蓮井:これからどういう方向に向かっていきたいですか?

辻本:私のもともとの夢が、世界中の人がときめくバッグを作りたいというもので、そこに近づくためにパリで個展をしましたし、これからもどんどん外に出ていきたいと思っています。また、パリに行った事で日本の生地にも興味が出てきたんですね。でもそのままのものを海外に持って行くのではなくて、今新しくやっているのは、手書き友禅をされている方と組んで、本当にオリジナルで世界に一つしかないものを作ることで、染め帯の生地に絵を描いてもらって、昼と夜の世界を同じ柄で表して、その二つを同時に展示したいと思っています。

蓮井:よくそういうアイデアが浮かびますねぇ。

辻本:楽しいんですよ。

蓮井:大事ですよね、そこに喜びがあることが。

辻本:はい、作っている私が楽しくないとそれがバッグに現れるだろうから、自分がワクワクすることを追い求めていきたい、と思っています。

蓮井:来月の個展は去年完成した新しい空間で、お客様にも辻本さんにも、ディスプレイでも楽しんでいただけるようにと考えているので、どうぞよろしくお願いします。では最後に何かメッセージをお願いできますか?

辻本:バッグやおしゃれをする為のものを選ぶとき、「あの人が持っているから」と思って安心して物を選ぶことがあると思うんですけど、「これは私にしか似合わない!」というバッグを見つけてもらえたら嬉しいです。

蓮井:では高松の「蓮のうてな」にて、お待ちしております。


 

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