店主の
ひとりごと
両親の思い出 | |
大正・昭和生まれの故父と母。二人の間に少し遅く生まれた小生にとっては、 いつも優しい存在でした。いくら成績が良くなくても、どんなにいたずら (藁をきれいに重ねていたものを壊して遊び、大目玉を食らった事など)をしても、 厳しく叱られた思い出はなく、常に見守っていてくれました。 できない子ども程かわいいと言いますが、両親にとりどんな子どもであれ かわいくない子どもはいなかったと思います。 殊の外、母は溺愛してくれました。私の居ない処で「息子は…」と 自慢をしている事が多く…。穴があったら入りたい程恥ずかしい思いをした事が 多々ありました。父は静かな人で、愛情のある大正生まれの苦労人でした。 お酒が入るといつも同じ、軍隊の話をするのでした。(また同じかと思いながら 気持ちよく聞いていました?) そんな両親のもとで生まれ育ち「今」に至ります。感謝という言葉しかありません。 もう旅立って十数年が経ちましたが、不思議な事にいつも小生の胸に父母があり、 生きていた頃より「身近に」感じる時があります。命日とはこの世に命を 頂けた事実を教えてくれる日かと…。両親の写真を見る度に熱いものが 浮かんではまた沈みます。心の底に。 合掌 最近心にしみた言葉 平気で死ぬことが禅だと思っていたら 平気で生きることが禅だった 子規 |
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vol.36 (2008年3月発行)より |
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