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店主の
ひとりごと

花
 「花に散ったことの悲しみはない。ただ一途に咲いた喜びが残るのだ」(坂村真民氏)。
この詩文が心に響く小旅行をしてきました。
 この夏、京都の山村である美山に行く機会があり、雅な山里を散策した時に、力の限り咲く
花の姿を見たのです。日頃の町暮らしの中で見る花に、美しさを見る事はあっても、
強さを感じる事はありません。ところが美山の山里に咲く花にはそれがあったのです。
どれ一つとして同じものはなく、一輪一輪が自分らしく、しかも精一杯に花を咲かせていることが
伝わってきました。そしてそのひとつひとつの個性がなぜか見事に調和して、そこには生命の
小宇宙ができているのです。
 その中に沙羅双樹の白い花が散っていました。いにしえの人たちはこの花を「辻が花」という
デザインに託して、花の命の清らかさと儚さを衣の上で表現したのです。
 花の姿を通しても自然界は私たちに学ぶべきことを教えているのだと思いました。それもその
姿をもって、太古の昔からくり返し、同じ真理を示し続けてくれているのです。私のような自然への
感謝が足りない不届き者にまで、まるで父母のように、根気よく、やさしく。
 人間も自然の産物であり、自然界の一部として生き、そして自然に還っていくのです。
その逆らいのようのない大きな摂理の中にも確かに存在するひとりひとりの小宇宙。
この小宇宙こそが、この世の歴史を作り、人が生きる喜びの母体となってきたのではないでしょうか。
その地名どおり美しい山里の中で、そんなことを思いながら、冒頭の詩文をそっと唱えてみたのでした。
vol.10 (2001年9月発行)より
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