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店主の
ひとりごと

バリとテロ
 この夏、家族とともにバリ島でゆっくりと夏休みをさせていただきました。
ホテルを3回変えて、さまざまなスタイルのマナーや風土の違いに戸惑いながらも、一刻一刻、
感動を味わいました。ここでは時がゆっくりと滑るように過ぎてゆくのでした。
 私たちが滞在したのはウブドゥという芸術家が集まって住まう鄙な田舎です。
ここで一番感じた事は、田畑の中でいきいきと働く人々の日常の中にいつも彼らの宗教である
ヒンズー教が息づいている事です。生活の中に宗教があるというよりも、宗教の中に生活がある
と言うべきかもしれません。いにしえの時代の日本人もきっとこうだったのではないかと、その時代を
知らないくせに、懐かしいような気持ちになりました。彼らが提供してくれるサービスの中にも、
マニュアルの前にまず「心から、そうしてあげたい」という気持ちが感じられるのでした。
 バリの人は山にも無闇に登りません。彼らにとって山は聖なるもの、冒してはならない聖なるもの
だからです。神聖なものを尊ぶ伝統によって、山は守られ、守られた美しい山が豊かで美しい海を
作ります。このことを人々は理屈ではなく、太古からの自然の摂理として知っているのです。
生活の知恵というにはあまりに深遠な人々のわきまえ、これがまさに叡智というべきものでしょう。
日本人には今叡智があるでしょうか?
 帰国して間もなく、NYのテロが世界を震撼させました。その背景にはもちろんいろいろな経緯や
怨恨がありますが、中でも大きな要因となっているのは宗教問題です。一つの宗教、そしてそれに
基づく価値観で世界を統一しようとする愚かさが、世界を破滅に向かわせようとしているのです。
「共生」とは「共に生きよう」というレベルのスローガンではなりません。「共にしか生きられない」と
いう警告であり真実なのです。天国も地獄も死後の世界のことではありません。この世の中の、
いや人の心の中に存在する現実世界なのです。
 「考えるとは神に還ることだ」と言った人がいます。この至言についてもう一度考えなければ
いけない「人類の時」が来たようです。
vol.11 (2001年12月発行)より
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