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店主の
ひとりごと

正座

 日本の正座は不思議な身の置き方です。よく似たものに西洋や
イスラム社会の「跪く」とか「平伏す」というかたちがありますが、
これらは正座とは似て非なるものです。跪いたり、平伏したりする
対象は神か絶対的な権力者であり、こちらが劣っていること、
または相手への服従を表現するものですが、正座にはそういう
意図はありません。むしろ相手と対等にまっすぐに相対する
気持ちを表現した。媚びへつらいのない強い体勢です。
ちなみに正座をするのは日本人だけだそうです。
 ところで、私たち日本人は、神仏や権力者と向かい合うとき
だけでなく、普通の人と向かい合うときにもよく正座をします。
それはおそらく、「人の中に神仏を見る」という日本人らしい心の
あり方のせいではないかと思われます。たとえばお茶席では
亭主と客が正座で時を重ねる、大事な話を正座のひざ詰めでする
といった状況では、正座で相対する者たちは、それぞれがお互いの
大事な人であると同時に、尊い神仏になっているのでしょう。
 こう考えると、かつである老舗旅館のご主人がおっしゃっていた
「正座ほどすばらしいものはない。畳の文化をなくしては
絶対いけません」という言葉もまた違った響きをもって思い出されます。
 ときには一人正座をして、そこにいない人に想いをはせ、
その面影に神仏を見ることもして、本物の日本人になっていきたいと
思うこの頃です。

vol.20 (2004年3月発行)より
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