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対談この人と
話そう...

たかす文庫「この人と話そう…」
染と繍  村 山 刺 繍 店

四代目
村山 裕俊さん
聞き手 蓮井将宏(や和らぎたかす店主)


蓮井  村山さんにとって刺繍の魅力とは?

村山 圧倒的なボリューム感と、昔から変わらない良さ、ですかね。
   太古の時代から残ってきた普遍的な技術ですので。

蓮井 やっぱり中国から渡ってきた技術なんですか?

村山 中国にもありますけども、もともと日本でも、古代の普通の生活の中で、
   当時は絵の具がないですから、刺繍で表現してるんですよ。

蓮井 それはいつごろのことですか?

村山 弥生くらいですかね。日本だけじゃなくて世界中に、
   普遍的にあるんですよ、刺繍文化っていうのは。技法としては原始的なんです。
   それから、変わらないですよね、刺繍の文様は古さを感じない、というか、
   染めものは色によって流行りがありますが、刺繍っていうのは例えば
   お母さんの着物を見ても時代をそんなに感じないです。

蓮井 どうしてでしょうね。

村山 たぶん、”カタい”デザインが多いんですよ。刺繍のデザインって。

蓮井 文様としての完成度が高いんですね

村山 そうなんです。そしてまた、そういうのが刺繍向きになっている。
   そういうのはいつ見ても変わらない良さがありますよね。



蓮井 ところで日本刺繍の糸は撚りをかけないものなんですか?

村山 いえ、かけるものもあるし全くかけないのもあります。
   うちでは撚りをかけない平糸のほうが多いです。

蓮井 平糸の良さって何ですか?

村山 光沢ですね。絹の艶が出ます。桃山や江戸時代はほとんど平糸です。

蓮井 安土桃山辺りの衣装は今見てもかっこいいですね。

村山 デザインがゆったりしてますね。

蓮井 生きるか死ぬかの激しい時代だからこそ、逆にゆったりしているのかもしれないですね。 

村山 桃山の頃の布は地紋がない平織りなんですよ。地紋は慶長(江戸初期)になってから。
   それまではつるつるの平織りで、刺繍したら糸がつりそうにな組織で生地も薄い。
   今、あのレベルは出来ないですね。それから、昔は縫い司といって刺繍をする職人は
   大名お抱えやから、潤沢に生活が出来ていたみたいで、そのかわり朝から晩まで働いて。
   失敗は許されないですから。今のプロ以上のプロ根性でやってますわね。
   レベルが高いんですよ。昔の刺繍は。
   それと、もう一つの流れとして、明治以降、日本は刺繍で額などを刺して輸出してたんですよ。

蓮井 外貨獲得ですね。

村山 そうです。でも今は廃れて、着物のほうだけ残りました。

蓮井 違う技術なんですか。

村山 ちょっと違います。今、80歳の男性が、その全盛期の時の息子さんでいはるんですけど、
   
80になるともう目が見えなくなってしまって…

蓮井 村山さんのところは明治創業で、今は何代目?

村山 父が三代目です。二代目の祖父は小吉という名前なんですけど、
   話に聞くと、ほんまに職人ですわ。採算度外視。

蓮井 酒を飲みながら自分の作品を眺めるタイプですね。(笑)

村山 そうです。(笑)

蓮井 今、村山さんのところで縫ってくれている人は何人ですか?

村山 三人と、もう一人は染めの糸目とか友禅とかをやってもらっています。

蓮井 染めもやってるんですよね。出来ることは自分のところでということですね。

村山 ええ、どんどん職人さんがいなくなってきているので、若い子に引き継いでもらいながら。
   昔からやってきた方法と違い、道具も、新しいのを使ってます。
   例えば友禅の糸目、これは渋紙に先がねをつけた道具を使うんですが、
   うちでは注射器みたいなんに糊入れて。(コンプレッサー)

蓮井 開発されたんですか。

村山 取引のあるところが、こんなん作ったけど売れへんというて嘆いていて
   見せてくれたんですよ。それで、これええな、ということになって全部買いました。
   最初は職人さんとこに行ったらしいんですけど、
   職人さんは自分で作れるのに買うわけないですわ(笑)

   組合では邪道と言われるけど、若い子に続いていかないと。

蓮井 つねに、創作工夫を重ねていって続いていかないとね、伝統とは続いていってこそですからね。
   四代目の裕俊さんにしっかり繋がっていて村山刺繍も安泰ですね。

村山刺繍店のHP http://www.murayama-sisyu.jp/



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