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対談この人と
話そう...

たかす文庫「この人と話そう…」

ジュエリーデザイナー
川添 微さん
聞き手 蓮井将宏(や和らぎたかす店主)


2002年に最初の個展

 微さんとは15年程前、お母様(川添日記さん)のご縁にて一緒に食事をしたのが最初でした。
その時の事を今でも鮮明に思い出します。キラキラした宝石の様な人でした。
ただ方向性に迷いがあり、道を探していた様でした。
「金脈でなく人脈に生きてみない?」の小生の言葉に共感してくれた事が嬉しく…。
それから日本での初個展をギャラリーenでお願いしました。以降の彼女の活躍は目を見張ります。

 今回は個展の最中にゆっくりお話できました。また2018年3月に新しい「ほのか展」を予定しています。
ご期待下さい。

◆ コロンビアのエメラルド

蓮井:ここにBlue in the Greenと書かれていますが、これはどういう意味?

川添:それが私にとってのコロンビア産のエメラルドなんですよ。
エメラルドの産出国としては他にブラジルなどがありますが、もっと黒っぽい、ダークな色目。
一方でコロンビア産には透明感、力強さを感じます。
それは何故だろうと自分なりに突き詰めると、そこにブルーが入っているからだと思ったんです。

蓮井:それがコロンビアのエメラルドを好んで扱う理由ですか?

川添:ええ、人の肌を美しく見せてくれる色なんです。
特に女性に似合う色。肌の色を問わず。コロンビアのエメラルドでないと創作イメージが湧かないですね。
◆ 平安

蓮井:微さんは香川からN.Y.に行って、今はバリを拠点とされていますね。
日本を出て日本や日本人に対して感じることはありますか?

川添:やっぱり、日本人は基本的に「優しい」ですね。「豊か」です。物質的にも精神的にも。

蓮井:今いるバリも子供とお年寄りを大事にする社会だと聞いていますが、そういうところが合ったんでしょうかね。

川添:そうですね、まず「穏やかに作りたい」というのがあって。
結婚して今は娘が2人いるんですが、それ以前はものを作るということに穏やかな気持ちは必要ないと思っていたんですよ。
アーティストは波乱万丈な人生を送る、というイメージがあって。
でも今は友人から「ほのかは幸せすぎてものなんか作れないでしょ」って言われるくらい(笑)。
今の私は「穏やか」でないと作れないですね。

蓮井:子供を授かってから変わったんですね。
もし以前のままだったら、作品も今とは別のものになっていた?

川添:その前に、コロンビアで死んでたと思います(笑)

蓮井:微さんは若い頃にエメラルドの買い付けの為にコロンビアに行かれて、
その影の部分もつぶさに見て、達観してた、無茶してましたよね。よく帰って来れました(笑)

川添:ね。生かされてますよね。やっぱりみなそれぞれやるべきことがあるんですよね。

◆ 石に想うこと

蓮井:ところで、エメラルドのアクセサリーは古くは古代エジプトの時代から魔除けや医術の用途に使われてきたと聞きましたが、石から何かそういう力みたいなものを感じることはありますか?

川添:美しいものには惹きつけられる何かを感じます。
今ヨガを始めているのですが、瞑想と集中の、すーっと体の中に入ってくる感じ、
それと同じ気持ちにしてくれる力があると思います。
女性はみんなそうじゃないでしょうか(笑)

蓮井:美しいものは心を穏やかにしてくれる、と言われますね。
…じゃあ、微さんは皆さんに、宝石を身につけることによって幸せになって欲しい、と。

川添:それが一番です。なるべく幸せの念を込めて制作するんです。
そういう気持ちになれないと作ってはいけないと思いますね。
だから穏やかな、自分が納得のゆく毎日を送ることが大事だと思っています。
それから、よそゆきの時だけではなく普段から身近に感じて、身につけて欲しいと思っています。
それに本物のジュエリーを身につけていれば、どこへ行ってもちゃんとした扱いをしてもらえます。
ただ、カットされているジュエリーだと現代の洋服、ファストファッションに似合わない。
なので原石を生かしたデザインをしているんです。

蓮井:エメラルドは原石の状態から美しいんですよね。

川添:はい。でも今、エメラルドの原石がなくなっていくな、という事をひしひしと感じています。
未来の子供達は原石というものを見ることができない、カットされているものしか残っていないかもしれません。
だから私は原石というジュエリーのジャンルがあっても良いんじゃないかと思っているんです。
そして本物の宝石は代々受け継がれてゆくべきものなので、次世代に渡していけるように今の自分に誇りを持って生きる、その為のお守りのようなものであって欲しい、と思います。



 vol.70(2016年9月発行)より


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