店主の
ひとりごと
表参道にて | |
朝早く、表参道にあるアンデルセンの二階で美味しい朝食を戴く事があります。 そんな日は、とても気持ちよく一日が始まります。 二階の窓から見える風景はなかなか良いものです。人・車・建物、それと空が 調和して、とても新鮮に感じられます。また一人で食事していると周りの人達の 会話がBGMの様に聞こえ、店の人達も優しくサービスしてくれます。 ふと、どうしてこんな風に感じるのかなと自問してみました。不思議な事に、 街の真ん中にあっても今この空間だけは心落ちつける事ができます。 「命が元気になる」―このお店に居る人・物に無理が無い事に気付きます。 気取りもなく今を楽しみ、しっかり生きている様に想うのです。 そしてふと先頃、私達の企画展の際に「随縁」という名の茶杓を拝見した ことを思いだしました。「随縁」とは縁に随って物が生起し変化する様という意味。 今ここに生を受けている人・物・全て、随縁の中で生かされているということを 感じずにはいられませんでした。そして、その向こうに感謝という光と反省という 影を見るのです。 表参道を歩きながら、こうして元気で歩ける事こそ、無上の悦びだと感じつつ、 表(光)の中でなんとかしっかりした足あとを残したいものだと思った晩秋の朝でした。 感謝 |
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vol.43 (2009年12月発行)より |
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