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店主の
ひとりごと

虎屋さんに想う


〝美味しいお菓子を喜んでお召し上がり頂く〟


小生が上洛の際、必ず立ち寄るお店が一条の御所の西にあります。
御所御用の菓子司 虎屋さんです。

いつ訪れても手入れのゆき届いている庭を眺めながら、
職人の手で丁寧に作られたお菓子をお抹茶と一緒に頂きます。
時の流れが見えるひとときです。

甘さは苦味などの他の要素に比べ、一年中同じ味に統一することが難しいそうです。
菓子職人が尊敬される職とされる所以では無いでしょうか。
京都には様々な和菓子屋がありますが、その中でも室町時代後期より続く虎屋さんには
常に尊敬の念と親しみを感じています。

1501年創業、後陽成天皇の在位中に御所の御用を務め始め、
明治時代の遷都と同時に東京へ。
一条店は、2009年に内藤廣氏の設計で新しく建てられました。
四国では、JR高知駅や牧野植物園などを手掛けている建築家です。
店舗の敷地内には人口の池と神社があり、資料室も併設されています。
風格のある佇まいです。




【 山路の菊 】

不思議なご縁にて、先日虎屋さんが当時の天皇より名を頂戴した和菓子を
作って頂く機会がありました。
正徳元年(1711年)に創作されたと記録が残っている、白い菊花をかたどり、
羊羹の一葉が飾られたお菓子。
手で割って、口に入れると御膳餡(こし餡)の濃厚さに日本を感じました。
お濃茶が欲しいと感じた瞬間でした。
作り手はその日の天候、湿度に合わせて創っているのでしょう。
「ありがたい」という言葉が胸に湧きいづる心地でした。



【 パリと日本 】

今年6月にたかすの着物の個展をパリにて開催した理由の一つに
現地の虎屋さんを訪れたいという思いがありました。
1980年にオープンした虎屋パリ店。
2015年に「クラフトマンシップ」をコンセプトにリニューアルしました。
現地を拠点に活躍する田根剛氏による店舗はおしゃれで、清潔感があり、
随所に日本の職人の仕事が垣間見られる空間でした。
それは一条店と通じることでした。
さりげない処に丁寧な仕事をする。
変化していない様で常に変化し続けること。「不易流行」を書いた松尾芭蕉は
古きものと新しきものの不変的な考え方を示しています。
小生にとって虎屋さんの空間は芭蕉の言葉を肌で感じることができる場所です。



【 令和元年 】

十一月の大嘗祭が終わり、いよいよ新しい天皇のもと日本が動き出しました。
(※大嘗祭は稲と共に粟の祭りでもあります)選ばれた種が大切に蒔かれ、
根を張るときです。
来年は四方八方に根を巡らせ、新しい世界を作る年になるのではないかと思います。
修め修め尽くした処から滲み出るものが風格に繋がるのではないでしょうか。
先ず、住する処を整理整頓して、今年を美しい空間で終える事が大事ですね。




今年も本当にありがとうございました。
来る年が皆様にとり生き生きとした時(とき)の連続でありますように念じております。
自然に対する畏れを忘れず「備え」を実践したいですね。
蓮井将宏拝

家一つ畠七枚冬日和  一茶

vol.83(2019年12月発行)より
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